ホモ牛乳

下品なことを言う係です

メリクリ

帰り道、一匹の黒猫が優雅に佇んでいた。
夜の中にあっても輪郭がぼやけることなく、見目形を印象づける。
赤い首輪が一層、凛々しさを強調していた。

 


近づいても、写真を撮っても、まるで興味がないように何の反応も示さない。
実際、僕なんかに興味はないのだろう。


「おいで、帰るよー」

後ろから声がした。
声の主は白髪のおばあさんで、黒猫の飼い主のようだ。

呼ばれた黒猫は、さっきまでのクールな雰囲気とは打って変わり
クリスマスに浮き足立つ街と呼応するかのように、元気よく走り回る。

「かわいいですね」
「ふふふ、待っててっていうと、ちゃんと待っててくれるんですよ」
「僕より賢い」
「ふふふ。クロっていうんです」

笑顔の絶えない、素敵なおばあさんだった。
ほんの少し先まで、僕とおばあさんとクロは一緒に歩いた。

バイバイ、クロ」

瞬きもせず、ちょこんと首をかしげるクロと、しばし見つめ合う。
少しは僕に興味を示してくれたのかな?

クロに手を振り、おばあさんに会釈をし、僕らは別れた。


ふふふ。ははははは。
おばあさんの笑顔がうつったかのように、僕は微笑を崩せない。


──真夜中に、夜空を彩る白と黒。プレゼントをたくさん乗せて、子どもたちの待つ家へ──


そんな想像が頭を離れない。
僕の部屋にも、来てくれますか?


また、あの道を通ろう。
何食わぬ顔で、黒猫が一匹、佇んでいるような気がする。

儚き邂逅に喜びを。

メリークリスマス。

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